今回は、元BIG4コンサルの私がコンサルのアベイラブルとは何なのか、そしてどのように過ごせばいいのかを解説したいと思います。
アベイラブルになったらどうしよう…。クビってことなのかな?どのように過ごせばいいのだろう。
安心して、アベイラブルはそこまで恐れるものではないんだ。元コンサルの私が実体験をふまえて、アベイラブルの実態を解説していくよ。
コンサルに関する過去記事は以下になります。
良かったら見てくださいね。
コンサルのアベイラブルとは?
コンサルのアベイラブルとは、コンサルタントがプロジェクトにアサインされていない状態をさします。
アベイラブルとは英語でavailable、つまり日本語で”利用可能な”という意味になります。
利用可能ということは、いつでもプロジェクトにいつでも参画できる状態のこと。
だから、コンサルがプロジェクトにアサインされていないということは、いつでも利用可能な状態だからアベイラブルと言います。
アベイラブルとは実質クビなのか?
結論から言うと、全くそんなことはありません。
コンサルタントになる方々は、成長意欲が非常に強い方が多いので、会社に所属していながら働いていない期間を恐れる傾向がありますが、全く恐れることはありません。
アベイラブルを恐れる必要がない理由は以下になります。
- 新しいプロジェクトや既存プロジェクトの増員を会社側が用意できておらず、コンサルタントをアサインすることができていないだけの可能性があるため
- アベイラブル中の給料は、まったく減ることがない
- アベイラブルであっても、有休を消化する必要がない
では、上記の理由をそれぞれ解説していきます。
会社側がコンサルタントをアサインするプロジェクトを用意できていない
いくら優秀なコンサルタントであっても、活躍の場がなければどうしようもないですよね。
コンサルタントがプロジェクトに実際にアサインされるまでの流れは以下となります。
- コンサルタントの役職でいうシニアマネージャー(以下シニマネ)以上が新しいプロジェクトを獲得する※、もしくは 既存のプロジェクトのメンバー増員 or リプレイスの必要が生じる。
※一部のコンサルティングファームでは、マネージャーもプロジェクト獲得を担うこともある - 人事とプロジェクトオーナーであるシニマネが、アベイラブルのコンサルタントの中から新しくアサインしたいメンバーを選ぶ。
- 2の過程で選ばれたコンサルタントとプロジェクトオーナーであるシニマネがアサイン面談を行う
- 3のアサイン面談で選ばれたコンサルタントとプロジェクトオーナーであるシニマネが相互に合意すれば、プロジェクトにアサインが確定される
といった流れとなります。
つまり1の過程で、新規にプロジェクト獲得や既存プロジェクトの増員ができていなければ、そもそもコンサルタントをプロジェクトにアサインさせることはできないのです。
またコロナのような未曾有の事態が起きれば、プロジェクト自体が少なくなる一方で、コンサルタントの人数は変わらないのでアベイラブルなコンサルタントが増えるのは不可避だったりします。
4の過程では、プロジェクトオーナであるシニマネと選ばれたコンサルタントが合意しなければならないのがポイントで、そのプロジェクトの内容がコンサルタント本人がやりたい志向性と一致しなければ、アサインされることを断る可能性もあるのです。
しかし、2の過程では当然ながら、過去実績のある優秀なコンサルタントからアサインの声がかかってきます。
過去のプロジェクトで著しく評判がわるかったりすると、最悪まったくアサインへの声がかからないこともあるのです。
アベイラブル中の給料は、まったく減ることがない
これが一番アベイラブルを恐れる必要がない、大きな理由かもしれませんね。
コンサルの給料は、深夜残業が多い業界風土であることから、みなし残業であることがほとんどです。
アベイラブルで暇だから早く帰っても、このみなし残業代が減ることはなく、アベイラブル中であっても給料が変わることはないのでご安心ください。
アベイラブルであっても、有休を消化する必要がない
これは厳密にいうと、有休を消化する必要はないですが、有休を消化することが奨励されるといった意味合いになります。
通常忙しいコンサルタントは、プロジェクトに実際にアサインされるまでのアベイラブル期間に有休を取得することが多いです。
なぜならば、コンサルタントの評価はプロジェクトに実際アサインされていた稼働率が大きくかかわってくるからです。
そしてこの稼働率は、有休により休んだ日は下がらないような仕組みとしているコンサルティングファームが多いからです。
なので評価に関わる稼働率を下げないために、有休を取得するコンサルタントが多いのです。
アベイラブルだからといって、有休を消化する必要はないですがアベイラブル期間が1~2か月以上となってくると稼働率に大きな影響があるため、有休をうまく使いながら評価への影響を少なくする必要はでてくるでしょう。
アベイラブル期間をどう過ごせばいいのか?
アベイラブルだからといって、恥ずかしがる必要はまったくありません。
逆にアベイラブルという希少な期間を有意義に過ごしましょう。
なぜなら、有休を取得していないのに相応の期間を自由に過ごすことができるまさにボーナスタイムといえるからです。
まさにコンサルタントの特権といえるでしょう。
ただし、アベイラブルだからといって1日中自由に過ごせるかといったら、そうでもないこともあります。
例えば新規案件の獲得提案・資料作成を手伝わされたり、その他必要な分析作業を振られたりすることが多くあります。
しかし、プロジェクトにアサインされている時期より忙しくないことは間違いないので、その間に何をすべきかを元コンサルの私から提案すると以下になります。
- 履歴書・職務経歴書の更新
- キャリアの棚卸し
- 新しいスキルのキャッチアップ
では一つ一つ解説していきます。
履歴書・職務経歴書の更新
プロジェクトにアサインされている忙しいコンサルタントは、履歴書・職務経歴書を更新する余裕はありません。
日々プロジェクトの大量の課題・業務に頭を悩ませています。
このアベイラブルという忙しくない期間に、ぜひ今までの経験を整理して履歴書・職務経歴書の更新を済ませてしまいましょう。
キャリアの棚卸し
こちらは履歴書・職務経歴書を更新する際に、一緒に行ってしまいましょう。
コンサルとして何を経験してきたのか、それは自分が志向するキャリアの方向性に一致しているのか、もし一致していないのであれば、このまま今のコンサルティングファームに残って自分が目指すキャリアに辿りつくことができるのか、といったことを整理します。
もし自分が目指したいキャリアを今の職場で叶うことができないのであれば、新天地を探すことも選択肢の一つといえるでしょう。
新天地であれば、どこの業界・職種であれば自分が目指すキャリアになるのか。
そして、そもそもなぜそのようなキャリアを目指したいのかといったところまで整理できるといいと思います。
仕事はあくまであなたの人生の手段であって、目的ではありません。
自分の人生がより充実したものになるためということが大前提といえるでしょう。
新しいスキルのキャッチアップ
キャリアの棚卸しが済み、今のコンサルティングファームに残るのであれば自分は何のスキルが不足しているのかを考えましょう。
そして自分の目指したいキャリアを目指すために、アベイラブル期間中に不足していたスキル獲得に励み、それを会社にアピールしましょう。
有休でもないのに、会社から給料を貰いながらスキル獲得に励むことができるなんて、コンサルタントでないとできません。
存分にアベラブル期間を活かして、スキルの向上に努め、自分が目指すキャリアを叶えてください。
そして、自分が望むキャリアのために新天地を選択された方は、遠慮せず行動した方がいいと思います。
会社から給料を貰いながら、転職活動なんて….と思う気持ちは痛いほど分かります。
ただし特別な事情がない限り、目安としてアベイラブル期間が3か月を超えている方は転職活動を検討された方がいい可能性があります。※
※シニマネ以上の役職で、案件デリバリーでなく案件獲得がメインの仕事になっている方は除く
自分が断っている訳でもないのに、3か月を超えてアベイラブルになっているというのは、残念ながら今までのプロジェクトでの評判が芳しくなかった可能性があります。
コンサルで活躍できなかった方でも、他業界で活躍している方はたくさんいます。
全く気落ちする必要はありませんし、むしろ自分の活躍できる場所を新たに探す気持ちでポジティブに転職をされた方がいいでしょう。
私がよく転職サイトでお世話になっているのは、ビズリーチとリクルートエージェントです。
ビズリーチは求人の質が高く、スカウト型の転職サイトです。
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加えて、エージェントのサポート体制も手厚いです。
ぜひまだ登録されていない方は一度、登録してみて求人を確認してみてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
コンサルのアベラブルというのは、まさにコンサル特有のものといえ、コンサル未経験な方には驚きの状況といえるでしょう。
コンサルで今アベイラブルな方、そしてアベイラブルになったときにどうしようと考えている方も含めて、アベイラブルになった際には、一度自分の経験・キャリアを見つめ直し、今一度自分の人生の目的から立ち戻ってもいいと思います。
コンサルも星の数ある仕事の中の一つでしか、ないのですから。
またコンサルの方で転職を検討されている場合、コンサルからの転職事情を詳細に解説しておりますので、是非参考にして、転職の準備を進めていただければと思います!
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